「今、あなたがMakuake STOREで欲しいものはなんですか?」

「今、あなたが
Makuake STOREで
欲しいものはなんですか?」

インタビュー 2023.3.23

各方面で活躍する人たちに実際に聞いてみました。思い入れのあるお買いものエピソードや今欲しいものの話から、気になるあの人のことをもっと知ることができるはず。だってお買いものは、今の気分や買いもの哲学、つまり人生をリアルに映し出すものだから。

 

すっきりと美しく調えられた47平米のモダンなリノベ中古マンションで出迎えてくれたのは黒縁丸メガネに白いシャツ姿の安藤さん。日々自身のSNSで紹介している緑豊かで無駄なものが何一つない住空間が目の前に広がります。
整理収納のエキスパートとして現在Instagramのフォロワー数8.8万人と高い人気を誇る安藤さんですが、じつは数年前までは「Tシャツだけで700枚ある」ようなモノであふれた生活だったというから驚きです。

〈好き〉を探す葛藤の日々

「たった数年前までTシャツが700枚、ズボンも40着、靴は35足以上ありました。それが今は半袖2枚とロンT3枚、ズボンは4着、靴はサンダル含めて3足です。今の自分に合っている数だなと思っています」

家じゅうのものを片づけて整理し、700枚のTシャツを2枚にまで。生活のすべてを変化させ、人生を大きく転換させるのにかかった時間は日中仕事をこなしながらの作業でたった2ヶ月だというのですから驚きです。でもここに至るまでの助走期間はとても長く、たくさんの葛藤の日々がありました。

 「小中高と吹奏楽に没頭していてそれを仕事にと思っていたのですが、家庭の事情で大手電気会社に就職したんです。専門の勉強をして資格を取るなど前向きに努力する一方で、〈好き〉の熱量とか〈この業界で求められている存在〉という自信みたいなものは常に最下位の状態な自分がいました。安定を求めて選んだけれど、自分じゃなくてもこの仕事はできるんじゃないかという気持ちが強まって、元々大好きで一生に一回はやりたいと思っていたディズニーの仕事に挑戦してみることに。面接のときには希望の職種を第三希望まで書くんですが、どうしてもやりたかったアトラクションの仕事があってその職種で第一希望から第三希望の欄を全部埋めたら、なんとその場で合格をもらいました。自分を必要とする仕事に就きたい!という情熱が届き、実際に僕が担当する回を目指して地方からきてくれるファンの方がいらしたり、手紙をいただいたりと、お客様に楽しんでいただく喜びを実感できた仕事でした」

自分のやりたいことで人に喜んでもらうという経験をした安藤さんでしたが、おばあさまの介護のために離職せざるを得ない事態に。昼は介護生活を、深夜はコンビニに勤務をしながら時を過ごし、その中で震災やおばあさまの他界を経験しました。そして再び、なりたい自分探しの旅の続きが始まります。

 「ディズニーが好きだという気持ちは変わらず、今度はディズニーショップに就職。ここで魅力的に陳列するノウハウ、視覚効果などのエッセンスを学びました。販売実績もすごく伸びて。でも正社員になる道は見えず、当時28歳だった僕は〈35歳までにずっと続けられる仕事を見つけたい!〉とまた転職をしたんです。次は、ショップの陳列や商品理解の経験を活かせるミュージアムショップの運営会社へ。全国の美術館、博物館、水族館への営業はもちろん、陳列、商品開発も手掛けて、人の心を動かすモノづくりの現場とその面白さを経験したんです」

成果主義のどの業界においても着実に数字を生み出して評価され、経験を積み重ねてきた安藤さん。でもその一方で常にどこか満たされない思いを抱える日々だったと言います。〈ずっと続けられる仕事は何か〉〈本当にやりたいことはなんだろう〉と思いながら過ごすうちに世界はコロナ禍に突入しました。

コロナ禍で見つけた〈なりたい自分〉

「オリンピックをはじめとする様々なイベントが中止や延期になり、この業界でもリストラの嵐が吹き荒れました。自分はその対象にはならなかったけれど、全国をまわって営業していた生活が一変して在宅生活に。それがちょうどパートナーと購入した家に引っ越して半年ごろのことだったんです。
今度こそ本当にやりたいことは何かを考える時期だと思ったときに引っ越したばかりの家を見回して、自分はインテリアが好きだということに本当にふと気づいたんです。とりあえず家の中を整理するところから始めてみおうと思ったものの、Tシャツだけで700枚ある暮らしでしたから、意外にも全然片付かないんですよ。
たまたまそのときに整理収納アドバイザー2級の講座が近くで開設されているのを知って資格の一つでも増やしてみようかと軽い気持ちで挑戦したら、なんとこれも難しかったんですよね。できないという事実にまるで雷に打たれたかのようにショックを受けて、ひたすら2ヶ月間家の中のモノと向きあい続け、整理収納に徹底的に取り組んだんです」

整理収納アドバイザー2級の試験を受けたのが2020年6月のこと。安藤さんは家の中のモノと向き合った2ヶ月の間にInstagramを開設。Twitterやnoteも始めます。一歩を踏み出した安藤さんの快進撃はとどまることを知らず、その2ヶ月後には会社に退職を申し入れ、2021年2月に退職。並行して実際のお宅訪問を重ねて整理収納アドバイザーとしての実績を積みつつ、住宅収納スペシャリスト、クリンネストというお掃除アドバイザー、そしてついには2021年夏に整理収納アドバイザー1級の資格を取得します。

 「インテリア、整理収納が好きかもしれないとなにげなく始めた片づけですが、家にあるものと向き合ったことで、自分がどう生きたいかがモノと一緒に整理されていく感じでした。やりたいことや好きを探して続けてきた日々は、そのためにと仕事に打ち込んでいる一方で実際は失っているものも多かった。早朝に出て深夜に帰宅する生活のなかで時間ができたらとあらゆるモノを放置していたんですよね。ウォーキングクローゼットは入ることができない場所になっていたし、開かない引き出しだらけ。いつかやればいいと見ないふりをしていたことで、寝ても覚めても山ほどのモノに支配され、スペースだけじゃなく時間や大事なものを気付かぬうちに失い、本当に好きなものの輪郭も見えづらくなっていたんだと思います」

整理収納が明確にする〈欲しいの基準〉

整理収納をとおして自分の〈好き〉や〈大事なもの〉がはっきりと見えた安藤さんが今、Makuake STOREでリアルに欲しいもののラインナップはまさにそれらが映し出されているかのようなアイテムばかり。

震災で目の前の家が流されるのを目の当たりにしたからこそ選んだ防災用具になる次世代傘とキャンドル。
今年花粉症デビューをしてインテリアの観点で注目した空気清浄機。
整理収納のプロとして着目した財布。モノと向き合う日々で、未来のモノのあり方を考えるようになったから選んだエコバッグ。
そして、一度は持っていたものの整理したときに手放して今は持っていないというコーヒーミル。

「今回選んだものを見ると、本当に今の自分らしさや価値観が出ているなと思います。モノを整理したことで自分にとっての要・不要がとにかくハッキリしたんですよ。
まず、傘がそうですが一石二鳥的な多目的で、兼用できるアイテムが好きですね。キャンドルは普段使いも防災グッズとしても使えてインテリアとしても美しいという多目的感が素晴らしいと思います。震災が起きると、電気は7日間で復旧すると言われています。このキャンドルがあれば復旧までの一週間分の明かりを確保できるうえ、揺れるリアルさは癒しであり、ふだんはインテリアとしても可愛い。LEDだから半永久的に使えて、火より安全性が高いところもポイントです」

「実用的で用途が明確であることも大事にしています。この空気清浄機は大きいタイプを置きにくい洗面所や脱衣所などに置けることが魅力的。必要な場所にそのつど移動させることもできますしね。なにをどこにどう置いてどういうシーンで活躍するかは、自分に本当に必要かどうかを判断する大きな基準となります。
用途が明確であることは、モノ選びが失敗しづらくなる秘訣。その点でいうとこの財布が素晴らしいんですよ。硬貨のサイズを理解した上で、人間の動作や指の長さまで計算し尽くされて、財布からお金を出し入れするという行動がスムーズに行えるようになっています。モノやモノに伴う動作を考えることで暮らしやすくなるし、無駄な時間が生まれにくくなります。整理収納が余裕をうみ、暮らしを豊かにするという好事例じゃないかなと思います」

 「あとは自分が一番いい状態でいられる気分が上がる〈好き〉なものだけに囲まれていれることが大事です。自分の場合はディテールが凝っていて、唯一無二なものにも惹かれます。モノトーンが多いのには理由があって、より長く使い続けるためにベーシックさを求めているからです。
最近はより長期的視点でモノを考えることも増えて、長く使うために必要な環境配慮型の素材や作り方のものにも着目しているので、このエコバッグはいいなと思います。エコバッグってついつい増えてしまうアイテムですが、自分の〈好き〉の基準に沿ってきちんとモノを選ぶと、自然にモノの数は抑えられてくるというわけです」

「でもね、私は決してミニマリストではないんです。好きなものを必要な数だけ選んだら結果的にこの数になったということが大事。数を減らすためだけに整理をすると、自分の大切なモノや暮らしの豊かさまで失うことになり本末転倒です。
今回過去に一度手放したコーヒーミルというアイテムを再び欲しいと思ったのは、怒涛の整理収納の日々で本当に欲しいモノがわかり、その上でゆとりの時間をパートナーと楽しく過ごしたいという気持ちの余裕が生まれたからかと。自分とパートナーとの暮らしがより良くなるという大事なモノ選びの指標が新たに一つ生まれたのは、次のステージに自分が到達した証かもしれませんね」

 整理収納で人生は変わるということを自らが体現し続けている安藤さんは、もっとたくさんの人にこの大切さを伝えていきたいと言います。実際に2020年夏に始めた安藤さんのSNSのフォロワー数は、2022年1月時点で1万人、2023年1月時点で3万人と急速かつ着実に数字を伸ばし、現在8.8万人に到達。28歳のときに〈35歳までにずっと続けられる仕事を見つけたい!〉と思ったその通りの姿になった今、活躍の場はラジオやテレビ、書籍などにさらに広がっています。
一人でも多くの人に整理収納で心地よく、より良い暮らしに出会って喜んでもらいたいという安藤さんの思いがますます多くの方に届くことになりそうです。

※本文中の写真は全て撮影時のみマスクを外しております

撮影/寺澤太郎

安藤秀通さんのお気に入りリスト

 

安藤 秀通(あんどう ひでみち)
整理収納アドバイザー。 愛称「ひでまる」。Disney&MuseumShopのビジュアルマーチャンダイザーとして空間やビジュアル作りの業務に携わる。2020年から各種インスタライブ、自宅を公開して講義をする「お家ツアー」や出張アドバイスなどで、快適に暮らす整理収納術を紹介する活動を行なっている。スッキリと快適に暮らす部屋作りのことはおまかせあれ!の人。
関連ページ
https://www.instagram.com/hidemaroom/