滝田勝紀
家電スペシャリスト。MZ世代のライフスタイルWeb「Beyond magazine」のプロデューサー。出版社で生活家電の編集担当になったのを機にこの道へ。モノづくりの企画段階から、実際の使用感やスペックはもちろん、実際に使われるシーンや空間を想定したデザイン性能まで、家電のすべてを知っている人。
はじめまして、滝田と申します。今回のテーマの「2in1家電」。1台で2つ以上の機能や役割を果たしてくれる、いわば一石二鳥家電ともいえるようなアイテムですが、その最新のムードをお話しします。
家電業界では5,6年前に一度、調理家電のジャンルでマルチクッカー系の大きな流行りがありました。これは今も続く一つのトレンドとして健在で、コロナ禍の今、よりニーズが高まっています。というのも、自宅で3食ご飯を食べるということが増え、自炊を始めたばかりの人も、家族がいてそれまで家でご飯を作っていた人も、調理の回数や負担が増えました美味しいものを食べたいとは思っていても、さすがに毎日毎日120%で頑張りたくはない。。ラクしておいしいものを食べたい。そこで、素材を入れておけば放っておいてもしっかりと美味しく仕上げてくれるマルチクッカーや多機能型の炊飯器の人気が継続中というわけです。
ステイホーム、テレワークの影響でいえば、家で過ごす時間が長くなったことで家族みんなで使えるものを求めるのもムードの一つです。たとえば、イス型マッサージャーはパッと見はデザイン性の高い椅子やオットマンなのですが、座面の部分を開けると足を温めたり、マッサージをしたりする機能がついています。こうした多様な機能がついていて家族みんなでシェアして使えるアイテムは、家族それぞれのニーズやシーンに寄り添えるので今らしいムードを象徴しています。 コロナ禍の影響で流行にさらに追い風が吹いた2in1家電のムードをもう一つ挙げると、面倒だからリビングで使っている家電をそのままキャンプで使いたいというムードですね。ここ数年のキャンプブームの中で、僕もそうですが、面倒くさがりだけどキャンプ時間は楽しみたい層がいるわけです。家で使っている便利な2in1家電、たとえば多機能型のホットプレートをポータブル電源とともに持っていって使えば、火を起こさずして3食楽しめます。鉄板機能だけではなく、たこ焼きも鍋もチーズフォンデュもできるような一石何鳥ものホットプレートだからこそ、一台で十分盛り上がれて活躍するんですよね。
最後にお掃除関係の2in1家電では、あるとちょっと嬉しい便利機能がついていたらいいなというトレンドを感じています。たとえば、アタッチメントを交換するといくつもの場所を掃除できたり、吸う機能だけでなく空気を吐き出すブロワー機能つきだったり、浮き輪を膨らませる機能が装備されていたり…そのためだけに専用の道具を一つずつ買うほどではないけれど、小さな不便を解消してくれる便利な機能、そういうものが装備された掃除機や小型クリーナーが人気です。以前より小型クリーナーのパワーが上がったのもムードの背景にあると思います。2in1家電は、1台で生活のいろいろな場面で活躍してくれることを思い描きやすく、購入ハードルがグッと下がるのも魅力といえるかもしれません。
撮影:寺澤太郎
はじめまして、滝田と申します。今回のテーマの「2in1家電」。1台で2つ以上の機能や役割を果たしてくれる、いわば一石二鳥家電ともいえるようなアイテムですが、その最新のムードをお話しします。
家電業界では5,6年前に一度、調理家電のジャンルでマルチクッカー系の大きな流行りがありました。これは今も続く一つのトレンドとして健在で、コロナ禍の今、よりニーズが高まっています。というのも、自宅で3食ご飯を食べるということが増え、自炊を始めたばかりの人も、家族がいてそれまで家でご飯を作っていた人も、調理の回数や負担が増えました美味しいものを食べたいとは思っていても、さすがに毎日毎日120%で頑張りたくはない。ラクしておいしいものを食べたい。そこで、素材を入れておけば放っておいてもしっかりと美味しく仕上げてくれるマルチクッカーや多機能型の炊飯器の人気が継続中というわけです。
ステイホーム、テレワークの影響でいえば、家で過ごす時間が長くなったことで家族みんなで使えるものを求めるのもムードの一つです。たとえば、イス型マッサージャーはパッと見はデザイン性の高い椅子やオットマンなのですが、座面の部分を開けると足を温めたり、マッサージをしたりする機能がついています。こうした多様な機能がついていて家族みんなでシェアして使えるアイテムは、家族それぞれのニーズやシーンに寄り添えるので今らしいムードを象徴しています。
コロナ禍の影響で流行にさらに追い風が吹いた2in1家電のムードをもう一つ挙げると、面倒だからリビングで使っている家電をそのままキャンプで使いたいというムードですね。ここ数年のキャンプブームの中で、僕もそうですが、面倒くさがりだけどキャンプ時間は楽しみたい層がいるわけです。家で使っている便利な2in1家電、たとえば多機能型のホットプレートをポータブル電源とともに持っていって使えば、火を起こさずして3食楽しめます。鉄板機能だけではなく、たこ焼きも鍋もチーズフォンデュもできるような一石何鳥ものホットプレートだからこそ、一台で十分盛り上がれて活躍するんですよね。
最後にお掃除関係の2in1家電では、あるとちょっと嬉しい便利機能がついていたらいいなというトレンドを感じています。たとえば、アタッチメントを交換するといくつもの場所を掃除できたり、吸う機能だけでなく空気を吐き出すブロワー機能つきだったり、浮き輪を膨らませる機能が装備されていたり…そのためだけに専用の道具を一つずつ買うほどではないけれど、小さな不便を解消してくれる便利な機能、そういうものが装備された掃除機や小型クリーナーが人気です。以前より小型クリーナーのパワーが上がったのもムードの背景にあると思います。2in1家電は、1台で生活のいろいろな場面で活躍してくれることを思い描きやすく、購入ハードルがグッと下がるのも魅力といえるかもしれません。
撮影:寺澤太郎